弁護士に相談すべき問題

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雇い止め・派遣切りにあったときの対処法と、弁護士に頼るメリット

1 そもそも雇止め・派遣切りとは

日本の雇用制度は従来、基本的には長期雇用を前提としていました。
しかし、バブル崩壊以降、企業としても全ての労働者を定年まで面倒を見る・・・ということは困難な時代に突入しました。
そこで派遣社員・契約社員という雇用形態が生まれたのです。
基本的に、正社員であれば、定年までの雇用が前提なので、辞めさせられることはありません。
例外的に解雇事由に該当したり、会社都合の解雇、
いわゆる整理解雇、というものが適法に行われた場合にのみ、会社を辞めされられることになります。
この原則が契約社員や派遣社員の場合は通用しません。
契約社員であれば、そもそも契約期間(例えば1年等)が定まっており、
そこで契約が切れる、というのが原則です。
派遣社員もどうように、派遣元から派遣先への派遣期間というものが定まっており、
この期間の経過をもって、派遣先での業務は終了、ということになっています。
つまり、派遣社員・契約社員は正社員とは原則・例外が逆転してしまっています。
契約社員が契約を更新されなかったことを雇止め、
派遣社員の契約が終了することを派遣切り、と一般的にはいうことが多いです。

 

2 では、どうすればいいのか。

かといって、雇止めや派遣切りに遭ってしまった場合に泣き寝入りしなければならないか・・・というとそんなことはありません。
判例法理で雇止めや派遣切りについても
解雇権濫用法理(労働契約法16条)の類推適用される場合があることが認められています。
具体的には、例えば契約書もロクに交わさず、
1年契約のはずなのに、5年・6年と契約社員として従事しているような場合、
労働者の側からすれば、「来年もここで働けるだろう」という期待感が生まれます。
判例はこの期待が合理的、つまり当然だろうと言える場合には、
この期待を保護することとしています(但し、この「期待」については労働者が証明しなければなりません。
ここでは契約書の内容やその際に人事の人にかけられた言葉、等が大きなヒントになるでしょう。)。
そうすると、企業の側も簡単に雇止めができません。
労働契約法16条によれば、解雇には「客観的に合理的な理由」が必要ですし、
解雇という処分が「社会通念上相当」と認められなければなりません。
期間が過ぎたから、「はい、さようなら。」というわけにはいかなくなるのです。

 

3 そこで弁護士の出番

そこで専門家である弁護士の出番です。
労働事件の場合、あっせん手続→労働審判→訴訟という流れをたどることが多いといえます
(場合によってはあっせんは利用されないこともあります。)。
特に労働審判という手続きは、全部で3回の審理しか予定されていません。
つまり、3回で自分の主張を裁判官や審判委員に理解してもらう必要があります。
中でも特に第1回は非常に重要です。
戦略的に証拠を出す・出さないといったことをやっている余裕もなく、
出せるものをすべて出す必要・主張して書けるものを全て書く必要があります。
そうすると、専門家である弁護士に労働者は持っている情報をすべて提供し、
できるだけ細かい書面を作成してもらう必要があります。
ここで変に自分で取捨選択をしないことが、労働審判で勝つための秘訣なのです。

 

4 まとめ

以上みてきたように、雇止め・派遣切りにおいて、労働者側が勝つ、というのは決して簡単なことではありません。
特に労働審判手続に入ってしまったような場合には、時間との戦いも必然的に待っていることになります。
自分が万が一、雇止めや派遣切りに遭った場合には、できるだけ早く、
そして自身が持っているありったけの証拠を揃えて弁護士のところに赴き、
審判や訴訟に向けた準備をしっかりと行うことが重要なのです。

突然逮捕されたとき、頼りになる当番弁護士制度とは

1 突然逮捕、でも知り合いに弁護士がいない・・・

ある日、突然あなたが逮捕された場合、あなたはどうしますか?
というのがそもそも当番弁護士制度が整備された背景です。
逮捕される場合、というものにも様々なものがあります。
現行犯逮捕の場合、これは中々言い逃れは難しいでしょう。
特に覚せい剤を持っていたような場合は、持っていること自体が犯罪なのですから言い逃れができません。
しかし、事件によっては誤認逮捕のような場合があります。
例えば喧嘩が起きて、仲裁に入ったのになぜか逮捕された、
見物していただけなのになぜか逮捕された、そんなことが起こりえます。
起訴・不起訴は捜査の結果得られた資料を基に検察官が判断しますが、
勾留(刑務所で起訴・不起訴の判断を待つ間、最大20日、外に出ることができない制度)については、
逮捕から72時間以内に検察官が判断しないといけないため、この時点で弁護士が働きかける必要があります。

 

2 勾留前の働きかけをしてくれるのが最大のメリット

逮捕されると、警察の人から、弁護士先生を呼びますか?という問いかけがなされます。
ここで知り合いの弁護士がいるのであれば、その弁護士を呼び、そこから弁護活動をスタートしてもらえます。
この場合は私選弁護、という形になり、起訴前の着手金20万円、
起訴後の着手金20万円、判決結果次第で報酬金が必要になります(東京弁護士会の基準)。
その知り合いがいない場合に、逮捕された人が希望すると出動するのが当番弁護士です。
初回接見については被疑者の負担はありません。呼べるのは一回限りですが、
そこで受任、という話になれば、そこから弁護活動をスタートすることができます。
つまり、勾留しないでほしい、という交渉を検察官としてもらえる、ということになります。
これ以降、勾留延長しないでほしいという働きかけや不起訴への働きかけ、
保釈といった弁護活動は国選弁護人でもできる話なので、
特段、当番弁護士制度のメリットとはいえません。

 

3 当番弁護人が基本的にはそのまま弁護人となる

テレビでは一般的に「容疑者」という言葉が広く使われています。
しかし、これは法律的な用語ではありません。逮捕され、起訴までの間の段階は被疑者、
起訴されると被告人、となります(これもテレビでは「被告」という言葉が用いられていますが、
「被告」は門司事件でのみ用いられる単語であり、刑事事件では「被告人」が正解です。)。

 

当番弁護士に弁護を依頼するには二通りの場合があり、
当番弁護→上記したような私選弁護、となるパターンと、
被疑者の経済面の状況から、
基本的には、国が費用を負担する当番弁護→国選弁護というパターンがあります。
そしてそのまま公判、ということになるのが通常のパターンです。

 

4 デメリットは・・・

当番弁護士制度そのものに大きなデメリットはありません。
強いて言うならば、被疑者が弁護士を選べない、ということでしょうか。
当番弁護で出動してきた弁護士に依頼したくない、となった場合、
当然、被疑者は弁護士との契約をしない、という選択をすることができます。
そうすると、被疑者として弁護士に依頼できるのは、勾留後の国選弁護の段階、ということになります。
その場合、勾留前の検察官への働きかけは不可能、ということになり、
よほどの軽い事案でない限りは勾留されてしまう、ということになります。
もっとも、当番弁護士制度が上記したように、
そもそも弁護士の知り合いがいない人の人権保護を目的とした制度である以上、
被疑者が弁護士を指名できない、としても不合理ではないですし、
契約する、しないの自由も被疑者にあるのですから、
そこまで大きな問題ではない、という理解が一般的でしょう。